地下鉄道にのって - エムマッティーナ雑録

劇評家カトリヒデトシのブログです

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

もうひとつサッカーの話を

井上雄彦という「スラムダンク」で一世を風靡したマンガ家が現在取り組んでいる「リアル」。

宮本武蔵を描く「バカボンド」も、筆を使ったタッチが実に野生的でよい。
すでに「スラム」の時に、ものすごく完成していた「線」を駆使していたのにそれに飽きたらず、新しい表現を追及していく姿は素晴らしい。

一方、「リアル」は…
「スラム」でバスケの魅力を描ききったはずなのに、また、新しいバスケを描こうと取り組んでいる、これまた野心作である。

それはなにかというと

「車椅子バスケ」である

井上らしく、
無骨でゴツゴツしてしまい、自らを生きづらくしてしまうタイプの、しかしそれだから余計、人間的な魅力にあふれた登場人物が躍動している。

その彼が、新しいバスケの魅力(「格闘技」としてのバスケ)の伝道として選んだのが「車椅子バスケ」である。

なんて素晴らしいんだ井上!!!

これが凡百の
「障害者の真の姿に光をあてる」
とか
「障害者スポーツに理解と協力を」
とかいったまなざしの
少年少女向けの
(ことばは悪いが)
「底の浅いヒューマニズム」ならこれほど顕彰しやしない。

みんな真剣に生きていても、必ずしもうまくいくばかりじゃないよねというリアルな話であり、
かつ
(ここ重要!、あたまの中で20ポ特大ゴチね!)
「車椅子バスケ」ってカッコよくて、ほんとおもしれえんだぜ!!

という井上の興奮がビンビンと伝わってくるところが(完結してないのにこの評価は早計だという批判をねじふせて)傑作×2なのであろ。

登場人物は「リアル」に苦しみ、「リアル」に闘っている。
ハンデをもっていようがいまいが、生きてくうえで関係ないという<リアル>があふれている。


ハンデキャッパーを「障害者」とよび、そうでないものを「健常者」と呼びわける、この国の、罪深さと、無神経さとに辟易とする。

そのくせ、「群盲象をなでる」とか、「つんぼ桟敷」とかいうことば(本義から考えると実に味わい深いことば)には過剰に反応して、使用を自粛させるバランスの悪さ。

「自由」の重たい真義に胸に手をあて内省することなく、「からだの不自由な人」と平気でいえる鈍感さ。
まったく唾棄すべき「ことばのセンス」のなさである。

だから「カッコいい」から描くという、井上のケレン味のなさこそが、まっとうな「障害者」との付き合いかただと思われる。

そこで「プライド IN ブルー」の話。
サッカーW杯日本代表の話。
「知的障害者サッカー」W杯日本代表のドキュメントである。
最近、パラリンピックが多少耳目を集めるようになり、去年の冬ではTBSが毎日速報を報道したりしていたが、
とにかくスポーツとしてカッコいいものにはきちんと注目しよう、恵まれない競技環境の中でも努力している人たちを応援しよう、という姿勢は買える。

そこで、このハンデキャップドたちがガンガン、ぶつかるエキサイティング・フットボールをみんながみて、そのカッコ良さにしびれていただきたいと切に願うのである。





スポンサーサイト
  1. 2007/05/24(木) 00:00:00|
  2. カテゴリ未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

スパイダーマン3もちゃんと観たんだけどさぁ

今回も、いつもどおりの「悩めるヒーロー」のお話。

また、その悩みがちっちぇんだな、これが。
(笑)

だから、悪いなどと、おこがましいことをいうつもりはモウトウない。

ただ、事実としていっておくだけ。





  1. 2007/05/23(水) 23:12:51|
  2. カテゴリ未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

ヨーロッパ企画を観る日

スズナリで「冬のユリゲラー」をみていた。
演技は拙いところもあり、演出にも、もっちゃりしたところもあるが、
たいへん、おもしろうございました。

やはり、売れ始めた若手劇団はいいなぁ。

伸び盛りの「勢い」というのは、その瞬間しか手にできないものなので、ほんとうにいとおしく、貴重なものである。
そういう「場」にたちあえると、ほんとに劇場にきてよかった、観てよかったと思える。

私はよく言われるが、「新ものずき」なので、「若手」に甘すぎるとよく怒られるが、いいじゃんか、日の目をみた瞬間ぐらい、めでてあげようではないか。
売れるまでがひと苦労、その先生き残っていくには、さらなる大苦労が待っている。
とりあえず、1回はほめておく。
次、またほめてあげられるように、また、がんばってくれたまえ。

オジな観客はまっているぞ。

 

「苦悩のピラミッダー」 ヨーロッパ企画 その2
連続の観劇なのである。
劇団に2つの組、砂組と雪組があって、両組が同時に下北で上演している(宝塚ですな)。
東京凱旋であるが実にはなばなしい。けっこうなことである。

関西もなかなか芝居のさかんなとこであるので、「新感線」や「卒塔婆小町」のように、中央に攻め上っていただきたいものである(ここは京都の劇団らしいが)。

前述したように点が甘くなりがちなのは勘弁していただくとして、実に楽しかったぞ。

ま、役者の演技力にムラがあったり、セリフまわしに下手さがあったりするのだが、それは、ご愛敬の範囲。
そんなことで減点されても、それを問題としない、あまりあるパワーがなんといっても魅力。
そんなに「大きな芝居」をしかけてくるわけではないが、なかなか魅せる舞台をしかけてくる。

「ユリゲラー」は超能力者の秘密パーティの話だし、「ピラミッダー」はエジプト王朝末期にピラミッドを王のきまぐれで作ることになった家臣団の話。設定も筋書きも変で、おもしろい。

若手の芝居のわりには、7~8人を常時舞台で回すというなかなかの脚本の力も見せつけた。きちんとキャラたってるし、狂言まわしもいなければ、説明的な場面もセリフもないという(ストーリーではないほうの)筋のよさをみせてくれた。

これが7年前の学生劇団時代が初演というのは感嘆しちまったぜ。
たいしたものである。

役者にもう一個性ほしいとこだが、そこは演出の肝かもしれないので、次回に論評はとっておく。

次回、「衛星都市へのサウダージ」も行くぜ!!
エスパー、エジプトときて、SF?
楽しみなことである。

<a xhref="http://hb.afl.rakuten.co.jp/hgc/04ca7d54.60477de3.04ca7d55.512a9093/?pc=http%3a%2f%2fitem.rakuten.co.jp%2fb-surprise%2f4988013060746%2f&m=http%3a%2f%2fm.rakuten.co.jp%2fb-surprise%2fi%2f10019177%2f" target="_blank"><img xsrc="http://hbb.afl.rakuten.co.jp/hgb/?pc=http%3a%2f%2fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2f%400_gold%2fb-surprise%2frakuten_images%2fdvd%2fPCBE-51941.jpg%3f_ex%3d128x128&m=http%3a%2f%2fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2f%400_gold%2fb-surprise%2frakuten_images%2fdvd%2fPCBE-51941.jpg%3f_ex%3d80x80" border="0"></a>

 

 




  1. 2007/05/12(土) 10:53:39|
  2. 演劇
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

シティボーイズ「モーゴの人々」

GWは出かけずに、おとなしくしていた。
今日は天王洲まで、コントを観にいった。

シティボーイズである。
ながいなぁ、このグループ。立派だのう。

それぞれが独自の働き場所をみつけて、
(斉木さんも深夜のパチンコ番組以外に戦隊ものにでたりして幸甚である)
活躍というほどではないにしろ、いい感じでやっている。

さらに基本・出自を忘れずに、コントも毎年、ちゃんとやっている。
偉い、偉い、偉い。
3回誉めとく。

みんな変節する。
しかたない。
「志」ではくっていけん。
みな資本主義社会で生きているのだ。
ということなので、市場を拡大しないかぎり、「ご商売」はなりたたん。

そのためには、初心も変節するだろうよ(自嘲ぎみである)

だから、いろいろ世の中に折り合いをつけつつ、生き延びていくなかで、少しでも自らの出自にこだわり、その初心を忘れずに「いようとする人」はカッコいい、と思う。

(だってさ、「つかこうへい」が勲章もらっちゃう時代になったんですぜ)

とほめたところで
「モーゴの人々」である。

去年がひどくて、途中で席を立ってしまった私はドキドキしつつ開幕をまった。
シティボーイズはその名のとおり、都市生活者むけのハイレベル(激笑)なギャグ・センスなコントなので、観客がおきざりにされることがある。
ただしツボにはまったときは、ものすごいホームランをかっとばす。
アベレージ・ヒッターではないが、長打力はもっている。
(田淵みたいね。といってわかる人は…)
コツコツあてて、ゴロで打率をかせぐのもいいし、しかし、それではゲームがつまらなくなるので、大物狙いも、じつによろしい。

といいつつも、今年は、なかなかのアベレージをあげた形で、めずらしく大物はなかった。
ナンセンスをまじめにやるってのも大切だし、「不条理(きゃー、古いことばだわ)」もいい。
要は、「わかりやすさ」と「わからなさ」の間隙をついてくれればいいので、「わかりにくい」ことを気にする必要はないよね。

去年とちがって、今年、面白かったのは、なぜだ?
おや、今年は「いとうせいこう」がでてない…
(こらこら! そういう書き方をするとまるで戦犯を名指ししているようなもんじゃないか〉自分 ≪すまん自分)







  1. 2007/05/06(日) 17:31:29|
  2. カテゴリ未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

「バベル」はどうなのよ?




なんで、日本なんだよ(怒)。
というのが、まず第一声である。
一丁の銃が世界を巡って、事件を起こすということが描きたいのだろうが、
日本人のハンターがモロッコで、ハンティングするって、ちょっとさ(笑)。
そんな落合信彦みたいな、大藪春彦みたいな人っているのかいな??

ま、それは100歩譲ろう。

それにしても、
「不幸な人間」と「不幸になっていく人間」しかでてこない、重っ苦しい映画でしたがな。

ま、「挫折と再起」という典型には、最終的になっていくんだが、それぞれの不幸もそれぞれの事件も、どうなんでしょ、描き切れていないとはいわないが、もう少し、演出をタイトに、時間をつままないときっついっす。

最初に事件同士が絡み合うまでに30分。

因果関係が分かるまでに1時間かかるのはながすぎだろ。

菊池凜子はなかなかよかったが、「女子高生」にはみえないっす。
顔も体も(ヌード多し)大人すぎ(笑)。
彼女の「不幸」と「葛藤」が一番痛々しくて、感情を揺さぶるのだが、
だが…

(ここからはかなり微妙な話になってしまうので、できるだけ慎重に書く)

ティーン(古っ)が、自己表現がうまくできなくて「孤独」を募らせていく、母親の自殺に父親が責任があるのではと疑い、父とぎくしゃくしてしまう。
回りに受け入れられたいが、どうしても素直になれない。というある意味「青春」にとって当たり前な心の「葛藤」や「齟齬」を、点描的にコミュニケーション・スキルの欠乏と還元し、それを「聾」にエクスキューズしていくのって、どうなのよ?と思った。

それって「障害者」を「二重に」「差別」してね?

あんまよくないなぁ



  1. 2007/05/05(土) 14:13:11|
  2. | トラックバック:0
  3. | コメント:0

「雪に願うこと」 サイコーだった

昨年度、日本映画の我がベスト1であった。

帯広のばんえい競馬(廃止からまぬがれなんとか継続がきまりご同慶のいたりである)を舞台とした、ま、よくある失意と再起の物語である。

その失意の青年(伊勢谷友介)の兄貴がばんえいの調教師(佐藤浩市)である。青年はIT長者として成り上がったものの、転落し、故郷に帰ってくる。そこにはぼけてしまった母親(草笛光子)とその世話をする兄。弟は家の金を持ち出し、東京に出て行った。……

と書いていて、あまりにもベタな話であることを再確認した。

しかし、根岸吉太郎の演出は、奇をてらわない分、かえって手堅く感じる。

伊勢谷の失意と再起の物語なんだが、失意の部分の葛藤が、佐藤の無骨な人間性の描写の影に隠れて、今ひとつ弱いのだが、それを救ったのが、小泉今日子である。
厩舎のめしたきのおばさんなんだが、夜になると化粧を決め、水商売に出勤する。

「こんな田舎で女がひとりで生きてくには、なんでもするしかないのよ」

と妖艶に笑う表情には酔ってしまった。
きれいだった

「シムソンズ」といいこの映画といい。
最近の北海道を舞台とした映画には、北海道の田舎の「辛気くささ」、「倦怠感」が実に正しく描かれていて「リアル」を感じる。

サラブレッド競馬にはない、ばんえいの「土」くささ、道産子の巨軀や鼻息など、馬の馬らしさというか、愚直な動物らしさが実にしみじみと、北海道を感じさせてくれる。

田舎の「貧しさ」と「空っぽ」感、しかし、だからこそ都会には決してない、「生のただしい手触り」というものが、実にストレートに現れていて、好感が持てた。




これはDVD買ってもいいなぁ。



  1. 2007/05/02(水) 00:01:00|
  2. | トラックバック:0
  3. | コメント:0

「シムソンズ」はよかった

じつにリリカル!
じつにロマンティック!!

北海道のド田舎の少女たちが、
せっかくの青春なんだから

「キラキラしたい!」

と立ち上がる(中には巻き込まれる)姿!!

常呂町(今は北見市)という、オホーツクのほんとに、ホタテ以外なにもとりえのない町の唯一の熱狂「カーリング」にとりつかれていく青春映画である。

4人の女の子たちが、実に点描的である。

元気なアイドルタイプの加藤ローサ
日本風黒髪美人の高橋真唯
ベビーフェイスの星井七瀬
わけあり美人モデルタイプの藤井美菜

とどの趣味の方にも、ストライクをという感じである(笑)。


皆、実に溌剌としていてよろしい。中には役の都合で屈折していたりもするんだが、それもまた凛としていて、あなよろし。

北海道の果てで、軽い気持ちで、青春の思い出のために始めたスポーツに心底魅せられて、正しく生きていくという話は、もちろん典型的なストーリー なんだが、登場人物が「嘘くさく」なく、みんなきちんと葛藤を乗り越えていくので、実に感情移入できて、ストレートに感情を揺さぶる。

中でも、解散の危機に(親に大学受験のために、シムソンズをやめろといわれる星井七瀬のところに) やってきた高橋真唯が窓の下から、

なんのとりえもなかった私をカーリングにさそってくれてほんとにうれしかった。私はこれで今こそ生きてるっていえる。というような訴えをするんだが、その時のことば。

「私を見つけてくれて、ありがとう」

というのには、ほんとうに感動した

(今も書きながら思い出したら泣けてきた)。

田舎に住むと言うことは、のんびりして、都会生活者にとっては「あこがれ」だったりするが、そんななまやさしいことではなく、自然の厳しさや不便 さという困難以上に、「なんにもない」こととどうつきあうか、どう楽しめるかという深刻な困難がある。その辺をごまかさず、田舎を単純に美化しないところ に好感が持てる。

ところで、大泉洋である。
シムソンズのコーチになるんだが、実に「貧相」で「いいかげん」な雰囲気が、最高! 
そのやさぐれた大泉は、実はかつてプレーヤーとして一流で、「フェア」のために殉じた男だというエピソードによって、「骨太」な男だと認知される仕掛けになっている。
これは大泉にはまり役だよね。
現在快進撃をつづける大泉だが、北海道を正しく伝える仕事はきちんとつづけてほしい。

最後に
シムソンズは現在、さまざまな事情とスポンサードの関係で「チーム青森」になってしまった(涙)。
常呂! お家芸をとられていいのか!!
北海道!! しっかりしろ!!
どんなに貧乏でも 誇りを手放すな!!
といっておきたい






欲しいほしい!!



  1. 2007/05/02(水) 00:00:00|
  2. | トラックバック:0
  3. | コメント:0

プロフィール

カトリ ヒデトシ

Author:カトリ ヒデトシ


最新記事

検索フォーム

ブグログ

リンク

このブログをリンクに追加する

カテゴリ

未分類 (1)
日記 (49)
演劇 (77)
映画 (7)
本 (27)
カテゴリ未分類 (76)
サッカー (3)
社会批評 (12)
旅行 (6)
北海道の生活 (66)

月別アーカイブ

QRコード

QR

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。